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あぶぶろ

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雨、時々、ガイジン。

これだから雨は嫌なんだ。
びしょびしょに濡れた服を絞りながら、うちは天を呪ったね。
なんだってこう外の作業の日に限って大雨を降らすんだよ。傘を使っちゃいけない、って決まりごとがあるからカッパを着てたんだけど、270円の安物じゃあ防ぎきれなかったさ。
会社の玄関に入って服を絞る。
もちろん浸み込んでいた雨水は、水流となって床を浸食していったけどかまうもんか。
まったく・・・。
なんだってこう機嫌が悪くなるんだ。
うちだって分かってる。雨なんて誰もどうしようもない自然現象で、その日に限って外で作業があったのだって社員なんだから仕方ないことさ。
そこそこ常識のある社会人だもの。そんなこと分かってる。
だからこそ、誰にもあたる事の出来ないこの怒りは、うちの中で悶々と渦を巻いている。
ああ、このイライラのはけ口はどこかにないのか!






「お、水も滴る色男だなぁ」





「なにぃ!!?」
・・・なんて声を上げることなんて出来ない。
勢いに任せて口を飛び出しそうなその言葉を、うちは刹那の間に考え、只管止めた。

見ろ。
目の前で笑っているのは大先輩だ。
もうすぐ定年を迎えるってくらいの年配者で、うちは入社当時からこの方に本当にお世話になった。

会社を辞めたい・・・。
入社して間もない頃、5月病とは違うとは思うが、うちは会社を辞めたくて仕方がなかった。
その頃、親とは大喧嘩の真っ最中。
大学卒業間際から進路に関して衝突し続け、結局うちが折れた形ながらも険悪な雰囲気が続いてた。
良い会社なのはうちにも分かったが、それ以上にそんな事情の背景がうちを退社へと導こうとしていた。

もう限界だ・・・。
忘れもしない最初の年の12月23日。
翌日をクリスマスイブに控えたその日、うちはその大先輩の家へと赴いた。地図で調べて、事前に電話で確認して、満を持して伺った。
居間に通され、口をつぐんだままのうちを黙って見ていた。
そして、うちが喋りだすよりも早く、会社を辞めたいのかと尋ねてきた。

それから色々と話したさ。
やりたかった事、親との事、今の会社はとても雰囲気の良い会社だと思っている事。
会社には何の不満もないという事。
泣きそうになりながら、必死に心の声を言葉にしたさ。
大先輩はその言葉を全部聴いてくれて、その後にうちに色々とアドバイスをしてくれた。
重みのある言葉だった。
人生を感じる深みだった。


そして今、うちはここにいる。




うちはこの先輩が大好きなんだ。
雨に濡れて不機嫌だからって、勢いに任せてこの人に言っていい言葉ではない。
止めろ、自分!
絶対に何があっても止めるんだ!!



刹那の間に、きっと心の中でこのような葛藤があったに違いない・・・。
その結果、こうなった。












「ほわっとっ!!?」

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